電子ブック江戸前の男―春風亭柳朝一代記 (新潮文庫)無料ダウンロード
江戸前の男―春風亭柳朝一代記 (新潮文庫)
によって 吉川 潮
3.6 5つ星のうち(7人の読者)
電子ブック江戸前の男―春風亭柳朝一代記 (新潮文庫)無料ダウンロード - 内容(「BOOK」データベースより) 最初の入門にしくじって、出戻りから、春風亭柳朝の落語家人生ははじまった。気っ風うが良くて喧嘩っ早い、そのうえ野暮が大嫌い。おまけに酒と博奕には目がなくて、女も好きの道楽三昧。しかし、落語のセンスは抜群で、やがて、立川談志・三遊亭円楽・古今亭志ん朝に並ぶ四天王の一角を担うようになったのだった…。粋を貫きとおした、これぞ江戸っ子芸人の破天荒な生涯を描く。
江戸前の男―春風亭柳朝一代記 (新潮文庫) の詳細
本のタイトル
江戸前の男―春風亭柳朝一代記 (新潮文庫)
作者
吉川 潮
ISBN-10
4101376212
発売日
1999/03
カテゴリ
本
ファイルサイズ
27.88 (現在のサーバー速度は25.71 Mbpsです
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落語評論も手掛ける筆者にとって自家薬籠中の物といえるテーマである。芸人を主人公にとった長編小説シリーズの第一弾であり、したがってというか、長編小説の作法に不慣れな面がやはり目につく。巻末に挙げられた多数の参考文献から文体もほぼそのままの引用が目立ち、原本のいくつかを愛読した当方は「おや」と思う事度々であった。筆者本来のものと異なる文体が違和感の震源地となり、たいへん流れが良く読みやすい文章がその個所に来ると突如流れる速度や風合いが変わる。ある時期の東京落語史ガイドブックを作るのならいざ知らず、小説であるなら内容をもっと咀嚼して筆者の血肉にしてから文章にすべきだろうし、文体へのこだわりが不足していると感じる。小説というある種のファンタジーに突然リアリティがある内容が異なる文体で入り込んでくる。木に竹を接ぐといった風情で、いかにもこなれが悪いのだ。同じ筆者の手による芸人長編小説の第二弾・第三弾である広沢虎造や柳家三亀松をテーマに取った作品にはこの悪癖は見られず、小説としての洗練度はあちらが二枚も三枚も上手である。また珍芸四天王として明治期に売れに売れた立川談志「釜掘りの談志」は四代目で、執筆当時健在だった七代目立川談志(松岡克由)の三代前で、先代ではなくこれは単純に誤りであろう。五代目柳家小さんおよび八代目林家正蔵襲名にまつわる逸話は、今日に伝わる当事者の証言と若干ニュアンスの異なる部分も見られる。この他にも史実と筆者のパーソナルな見解が行ったり来たりしている部分がいくつか目につく。小説だからこれで良いのだと言われればその通りだが、事実認定の問題だけに少々気にはなる。こうした不慣れゆえのいくつかの粗さは目につくもののそこはそれ。出来上がった作品は小説家として急速上昇中だった吉川潮の勢いを感じさせ、五代目春風亭柳朝のみならず、魅力的な登場人物たちの生き生きとした群像劇として一気に読ませてしまう。落語界といういささか特殊な世界を舞台にしてこそあるが、落語好きだけを対象にした偏狭な小説ではない。作中で描いているのは人間のおかしさ・悲しさ・嫉妬・情愛・若さ・情熱・あきらめ・人生哲学・老い・病など普遍的な人間ドラマであるから、年月を経てすこしも古びることがないし、たとえ落語を知らない読者でも入り込める。小説としての完成度で勝る第二弾・第三弾に負けない、筆者の「なにか奥にピカッと光る」底力を感じる魅力を持ち、楽しく読める事うけあいの一冊である。kindleもいいが、すでに文庫としては他出版社のものも含めて品切れなのは惜しい、いかにも惜しい。重版ヲ切ニ望ム。どこの会社でもいいから。
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